【二種免許の費用と会社負担】養成制度の仕組みと在籍縛りの注意点を現役ドライバーが解説

二種免許

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「二種免許って自分で取らないといけないの?いくらかかるの?」

タクシー転職を調べ始めると、ほぼ必ずこの疑問にぶつかります。普通免許と違って二種免許は日常生活ではほとんど縁がないので、費用感すらピンとこない方が多いと思います。私もそうでした。

この記事では、二種免許の取得費用の相場・会社負担(養成制度)の仕組み・負担してもらうための条件・在籍縛りと退職時の返還リスクまで、制度面を中心に整理します。「入社前に知っておけばよかった」と感じた視点も交えながら解説するので、転職を検討している方はぜひ参考にしてください。


二種免許とは何か・取得しないとタクシーに乗れない理由

まず前提の確認から。タクシー・ハイヤー・代行など、旅客を乗せてお金をもらう運転には第二種運転免許(二種免許)が法律上必要です。普通免許(一種)だけでは乗務できません。

二種免許には複数の種類がありますが、タクシードライバーが取得するのは原則として普通第二種免許(普通二種)です。大型タクシーや観光バスになると大型二種が必要になりますが、一般のタクシーであれば普通二種があれば問題ありません。

取得要件の主なポイントは以下の通りです。

  • 年齢:21歳以上(ただし会社によっては採用基準が別途ある)
  • 普通免許の保有期間:取得後3年以上(通算)
  • 視力・聴力など身体的な適性基準あり

3年以上の免許歴という条件があるため、たとえば「22歳で普通免許取得後すぐにタクシー転職」は制度上できません。この点は意外と見落とされがちです。


自腹で取るといくらかかるか【費用の相場】

自分で教習所に通って二種免許を取る場合の費用は、地域・教習所・受験回数によってかなり幅があります。一般的な目安は次の通りです。

取得方法 費用の目安
通学(合宿なし) 20〜35万円程度
合宿免許 15〜25万円程度
一発試験(運転免許センター) 数千円〜3万円程度(ただし合格率は低い)

通学・合宿はほぼ教習所の規定料金に沿った金額になります。合宿の方が通学より安くなるケースが多く、期間は概ね10日前後が目安です。合宿免許の実際の流れについては、二種免許の合宿10日間リアル体験記でまとめているので、興味がある方は合わせて読んでみてください。

一発試験(飛び込み試験)は受験料が安い反面、合格率が非常に低いことで知られています。業界では「何度も落ちて結局合計費用が高くついた」という話はよく聞きます。よほど自信がある方以外は教習所経由が現実的です。


養成制度とは何か【会社負担の仕組み】

タクシー会社の多くは、二種免許を持っていない未経験者を採用して、会社費用で二種免許を取得させる「養成制度」を設けています。求人票に「免許取得費用会社負担」「二種免許取得支援あり」と記載されているのがこれです。

養成の流れは大まかに次の通りです。

  1. 書類選考・面接(一種免許のみで応募)
  2. 内定・入社手続き
  3. 会社指定の教習所で二種免許取得(この期間も給与または手当が支給される会社が多い)
  4. 免許取得後、社内研修・地理研修などを経て乗務開始

「免許を持っていないと応募できないのでは」と思っている方も多いですが、養成制度がある会社では一種免許さえあれば問題なく応募できます。むしろ未経験者向けにこの制度を設けているのが実態です。

費用負担の範囲は会社によって異なります。教習所代の全額を負担するケースが多いですが、「技能教習費用のみで検定料は自己負担」といった部分負担のパターンもあります。入社前に必ず確認しておきたいポイントです。


会社負担の「条件」と在籍縛りの仕組み

タクシー会社が費用を出してくれるのはありがたい話ですが、当然ながら条件があります。最も重要なのが在籍縛り(就業義務期間)です。

在籍縛りとは、「取得費用を会社が負担した代わりに、一定期間は退職できない(もしくは退職時に費用を返還する)」という取り決めです。

具体的な条件例としてよく見られるのは次のようなパターンです。

  • 縛り期間の目安:1〜3年が多い(会社・地域によって異なる)
  • 返還条件:縛り期間内に自己都合退職した場合、費用の全額または按分額を返還
  • 按分方式:「2年縛りで1年で辞めた場合は半額返還」のように残存期間に比例するケースもある

縛り期間中に自己都合退職すると、最大で20〜30万円以上の返還を求められることがあります。業界では「入ってみたら思っていたのと違った」という理由で早期離職するケースもゼロではなく、その場合に返還が発生して後悔したという話も耳にします。


在籍縛りで後悔しないために確認すべきこと

在籍縛りの存在自体はおかしな制度ではありません。会社側からすれば、費用を出して育てた人材にすぐ辞められるのは実損ですから、条件を設けるのは合理的です。ただし、条件の内容を事前にきちんと確認せずに入社するのは危険です

面接または入社前に確認しておくべき項目を整理します。

  • 縛り期間は何年か(1年なのか2年なのか3年なのか)
  • 返還の対象は何か(教習所代のみか、研修期間中の給与も含むか)
  • 按分方式か一括返還か(一定期間を超えれば返還不要になるか)
  • 会社都合退職の場合は返還免除になるか
  • 労働契約書・就業規則に明記されているか(口頭確認だけでは不十分)

口頭で「まあ大丈夫ですよ」と言われても、書面に記載がなければトラブルの元になります。必ず労働条件通知書や就業規則で確認してください。

タクシー会社の面接時に確認すべき事項全般については、タクシー会社の面接で絶対に確認すべきことにまとめています。二種免許の条件確認と合わせて読んでおくと役立ちます。


自腹取得と養成制度、どちらが得か

「先に自分で二種免許を取ってから応募すれば縛りを避けられる」という考え方もあります。実際にそういう選択をする方もいます。ただし、どちらが得かは単純ではありません。

養成制度のメリット

  • 費用が不要(または一部負担のみ)
  • 養成期間中も給与・手当が出る会社が多い
  • 免許取得前から会社・職場の雰囲気を知れる

自腹取得のメリット

  • 在籍縛りがない、または縛り期間が短縮される
  • 複数社を比較してから入社できる
  • 万が一早期に辞めても返還リスクがない

「転職後に合わなければすぐ動きたい」という方には自腹取得のほうが身軽です。一方、転職前の貯蓄が少ない・できるだけリスクを抑えたい方には養成制度が合っています。どちらが正解かは個人の状況次第ですが、養成制度を使う場合は縛り条件を十分に把握した上で選ぶことが大前提です。

なお、二種免許を保有しているバス運転手からタクシーへ転職する場合は養成制度の対象外になるケースが多く、その分の条件が異なります。詳しくはバス運転手からタクシーへ転職を参考にしてください。


まとめ

  • 二種免許は旅客輸送に法律上必須。自腹取得なら通学15〜35万円、合宿15〜25万円が目安
  • 一発試験は費用は安いが合格率が低く、結果的に高くつくリスクがある
  • 多くのタクシー会社が未経験者向けに「養成制度」を設けており、費用を会社が負担してくれる
  • 養成制度には在籍縛り(1〜3年が多い)が設定されており、縛り期間内の自己都合退職では費用返還が発生しうる
  • 縛りの詳細(期間・返還方法・例外規定)は必ず入社前に書面で確認する
  • 自腹取得には縛りがない分の身軽さがある。どちらが得かは自分の状況で判断する

二種免許の費用と養成制度は「知らなかった」では済まない話です。入社後に「こんな条件だったとは」とならないよう、転職活動の段階でしっかり確認しておくことが、長く安心して働くための第一歩になります。

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